【1月24日 AFP】激しい反政権デモが続いているウクライナで、エリート特殊部隊「ベルクト(Berkut)」の隊員が、デモ中に逮捕されたとみられる男性を氷点下の首都キエフ(Kiev)の屋外に裸のまま立たせて暴行する様子を撮影した動画が23日、インターネット上に公開された。

 動画共有サイトのユーチューブ(YouTube)に投稿されたこの動画によると、被害に遭ったこの男性はまず靴下以外何も身に付けていない状態で乱暴に警察車両に押し込まれようとしていたところ、再び外へ呼び出されて雪の降る中に立たされた。その姿を、目出し帽を被った隊員が携帯電話で撮影していることがうかがえる。

 さらに男性は農具を手にポーズを取らされ、やはり目出し帽をかぶった別の隊員がからかうように男性に腕を回した後、男性の頭の後ろを強く殴った。そしてこの隊員は男性を警察車両へ連行、その際に男性を蹴りつけた。そこへまた別の隊員が現れ、被害男性を蹴った隊員を叱責するような様子が映っている。

 イラクのアブグレイブ(Abu Ghraib)刑務所での虐待を想起させるこのおぞましい事件の発覚を受け、ウクライナ内務省は「警察の制服を着用した者らの容認できない行為」について直ちに謝罪し、この事件の状況に関する内部捜査を開始したと発表した。

 キエフの独立広場(Independence Square)のデモ隊キャンプ代表によると、この男性の身元は特定されており、現在手当てを受けているという。この動画を公開した人物や、被害男性が拘束されていた期間などは明らかになっていない。(c)AFP