【1月23日 AFP】日本の調査捕鯨船団の母船「日新丸(Nisshin Maru)」が、イスラム法で合法とされる製品の生産者として「ハラル認証」を取得していたことが分かった。日新丸を所有する共同船舶(Kyodo Senpaku)が22日、AFPの取材に明らかにした。

 共同船舶の広報担当者によると、日新丸は昨年、南極海での調査捕鯨に出航する前に広島県内の港で検査員による審査を受け、南極海で捕獲したクジラがイスラム法に従って食肉処理されていることを保証するハラル認証書を11月24日に取得した。監査人からは、アルコール溶液による「汚染」を避けるため、捕鯨船の乗組員らが手を消毒する際の薬剤を変更するよう改善指導を受けたという。

 広報担当者によれば共同船舶は、国内在住のイスラム教徒向けの食肉の選択肢を増やすためハラル認証を取得するよう、取引先から勧められていたという。調査捕鯨の副産物である鯨肉を良質のタンパク源としてイスラム教徒の人たちに食べてもらえたらうれしいと、この担当者は話した。

 イスラム教徒は戒律で、豚肉を食べることが禁じられている。日本政府は国内に在住するイスラム教徒の人数について公式統計を発表していないが、宗教法人日本ムスリム協会(Japan Muslim Association)はAFPの取材に対し、現在日本には10万人前後のイスラム教徒がいると語った。これは日本の全人口の0.08%に満たない。(c)AFP