【1月23日 AFP】中国で21日にインターネット通信の大規模な遮断が発生し、国内通信が中国で非合法化されている気功集団「法輪功(Falun Gong)」に関連する国外ウェブサイトに転送された問題について、オンライン監視団体は22日、中国当局の検閲システムが原因との見解を表明した。

 中国当局のインターネット検閲システム、通称「グレート・ファイアウオール(万里のファイアウオール、Great Firewall of China)」を監視する団体「GreatFire.org」によると、中国のインターネットユーザーは21日午後、およそ1時間にわたって多数のウェブサイトにアクセスできなくなった。

 同団体はウェブサイト上で行った発表で、この現象を「中国で過去最大規模のインターネット遮断」と呼び、「われわれは、この遮断がグレート・ファイアウオールによって引き起こされたことを示す決定的な証拠を持っている」と述べている。

 同団体によると、中国のインターネットユーザーの通信は、検閲回避ソフトウエア「フリーゲート(FreeGate)」を運用する米ダイナミック・インターネット・テクノロジー(Dynamic Internet Technology)が所有するIPアドレスに転送されていた。このIPアドレス「65.49.2.178」は、法輪功のメンバーが運営するニュースポータル「dongtaiwang.com」に関連するものだという。

 一方、中国国営の新華社(Xinhua)通信は、障害の原因はハッキングの可能性があると報道。また、中国政府系調査機関の中国インターネットネットワーク情報センター(China Internet Network Information CentreCNNIC)は「トップレベルドメイン名のルートサーバー」で発生した障害と関連があると発表している。

 だがGreatfire.orgは、技術的なテスト結果を提示した上で、それらの障害だけでは「この遮断が起きることはない」と述べ、新華社とCNNICの主張に疑問を投げかけている。(c)AFP