【1月23日 AFP】習近平(Xi Jinping)国家主席や温家宝(Wen Jiabao)前首相を含む中国指導部の親族らが、海外のタックスヘイブン(租税回避地)に隠し財産を保有しているとした国際調査団体の報告書が22日、発表された。

 国際調査報道ジャーナリスト連合(International Consortium of Investigative JournalistsICIJ)が収集した約250万件の文書を基にまとめられた報告書によると、海外に資産を隠し持っていた人物の中には習国家主席の義兄や温前首相の息子と義理の息子たちもいたという。

 海外に資産を持つこと自体は違法ではない場合もある。また、親族が隠し財産を海外に持っていたことを党指導部らが認識していたとの裏付けはない。

 報告書によると、同連合が入手した海外金融機関の顧客リストには中国人および香港人の顧客約2万2000人の名があった。その中には胡錦濤(Hu Jintao)前国家主席、李鵬(Li Peng)元首相、1980年代に市場経済への道を開いた故鄧小平(Deng Xiaoping)氏といった歴代指導者の親族や、国家企業トップ、大富豪らが含まれているという。

 ICIJは、入手データの精査には世界各国の50を超えるパートナー機関・団体の協力を得たとしている。中国では22日現在、ICIJおよび調査に協力した英紙ガーディアン(Guardian)、仏紙ルモンド(Le Monde)、スペイン紙パイス(El Pais)、香港紙・明報(Ming Pao)のウェブサイトはアクセス不可能となっている。

 報道について、中国外務省の秦剛(Qin Gang)報道局長は定例記者会見で、「記事は論理的に説得性がない。隠された意図があるのではとの疑問を抱かざるを得ない」と語った。(c)AFP