【1月22日 AFP】米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)による監視活動を暴露し、米当局に訴追された中央情報局(CIA)の元職員エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者(30)に対し、匿名の米国防総省職員らがあからさまな脅迫発言を行ったとされる報道を受け、スノーデン容疑者は命の危険を感じていると、同容疑者の弁護士が21日明らかにした。

 スノーデン容疑者の弁護士アナトリー・クチェレナ(Anatoly Kucherena)氏は、ロシアの国営テレビ「ヴェスチ24(Vesti 24)」の取材に対し、「彼(スノーデン容疑者)の命に関わる本気の脅迫が実在する」として、「そうした発言はエドワード・スノーデンに対する物理的報復を予告するものだ」と語った。

 同弁護士が言及しているのは、米国で人気のインターネット・ニュースサイト「バズフィード(BuzzFeed)」に先週掲載された「米スパイ、エドワード・スノーデンの死を願う」という記事とみられる。それによると、ある国防総省職員が「(スノーデン容疑者の)頭を撃ち抜きたい」と言い、またNSAの現職アナリストも「米国民の殺害が禁止されない世界に暮らしていたなら、私は自発的に乗り込んでこの手で彼を殺すだろう」と語ったとされる。スノーデン容疑者は常に複数の護衛を伴って行動し、さらなる安全策を講じることも検討していると、同弁護士は明かしている。

 スノーデン容疑者は、世界中で数百万の通話と電子メールを監視しているという米国の大規模な情報活動の詳細を暴露したことにより当局に訴追された。昨年8月にロシアでの一時亡命が認められ、現在はモスクワ(Moscow)付近に身を潜めてロシア語を勉強しているとされる。またクチェレナ弁護士の話では、スノーデン容疑者はロシアの大手ウェブサイトのITアドバイザーとして在宅勤務しているという。(c)AFP/Dmitry ZAKS