イルカの追い込み漁「湾内に血の帯」と反捕鯨団体
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【1月22日 AFP】反捕鯨団体シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society、SS)は22日、現地で監視を続けている和歌山県太地町のイルカの追い込み漁で前日、イルカ数十頭が人目につかないところで殺され、帯状に浮かんだ血が追い込んだ入り江に漂っていたと伝えた。
同団体によれば、数日にわたって捕らわれていたバンドウイルカ数十頭が、防水シートを張った囲いの中で殺された。イルカの追い込み漁は22日も出港したという。
イルカの追い込み漁については前週18日、米国のキャロライン・ケネディ(Caroline Kennedy)駐日大使が、マイクロブログのツイッター(Twitter)への投稿で「非人道性について深く懸念している」と批判。これに対し日本政府の反応は乏しく、菅義偉(Yoshihide Suga)官房長官が、「イルカを含む鯨類は重要な水資源であり、科学的根拠に基づき持続的に利用するべき」だと述べるにとどまった。
一方、太地町からは、追い込み漁は「人道的な」方法でイルカを殺しており、ケネディ大使は現地を訪れて見るべきだとの声も上がっている。
匿名で取材に応じた太地町役場の漁業担当者は、ケネディ氏に追い込み漁がいかに地元の経済を支えているかも見てほしいと語った。
この担当者は「ここは小さな田舎町でほかに大きな産業もない。来ればわかると思う。多くの漁師がこれで生計を立てているし、ほかにもたくさんの人が加工工場などで働いている」、「現実を見てほしい。生あるものを屠殺しているので、ありがたくいただいている」と語った。また、「より人道的な屠殺を行っている。脊髄を切断するから血もでない。昔のような屠殺はしていない」とも述べている。(c)AFP