【1月22日 AFP】(一部更新)親ロシア政権に対する抗議デモと警察の衝突が激化しているウクライナの首都キエフ(Kiev)で22日、デモの参加者2人が撃たれて死亡したと司法当局が発表した。2か月前にデモが始まって以来初めての死者となる。

 検察当局によれば、反政権派が診療所として使用している図書館で、頭と胸を撃たれた活動家の遺体が発見された。そのすぐ後にもう1人の射殺体が確認された。デモの参加者たちは2人について、警察の狙撃要員によって撃たれたと話しているが、検察当局はそれを確認していない。

 同日夜、デモ隊が設置したバリケードを機動隊が突破。反政権派の活動家たちは、死亡した1人はこのときに警官に撃たれたと主張している。現場にいたAFPの記者によると、機動隊は現地時間22日午前8時(日本時間同日午後3時)過ぎ、キエフのフルシェウシキー(Grushevsky)通りに設置されたバリケードに突入。デモの参加者らの身柄を拘束したことから、双方の間で衝突が起きた。早朝の動きに驚いたデモ隊は、投石で反撃した。

 また抗議運動側が設けたキエフの医療班関係者によれば、警察の狙撃要員に銃撃されたデモの参加者の男性1人が負傷し、その後に死亡が確認された。さらに、サッカークラブのディナモ・キエフ(Dynamo Kiev)が本拠地とするデモ現場近くのスタジアムでは、ゲートに上り落下した男性1人が死亡したという。ただしウクライナ内務省は、この人物について死亡したことは確認しているが、どういった状況でそうなったかの経緯は不明だとしている。

 両者の衝突は激化しており、機動隊はゴム弾や閃光弾を使い、盾で身を守りながら議会へ通じる道を封鎖しており、その隊列に対しデモ隊は、石や火炎瓶を投げつけている。

 一方、独立広場(Independence Square)にあるデモ隊の主要拠点に対しては、警察はこれまでのところ動きを見せていない。(c)AFP