【1月22日 AFP】米ニューヨーク(New York)を拠点とする国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights WatchHRW)は21日、ソチ冬季五輪の開幕を目前に控えたロシアで、同性愛者を狙った暴力などの「深刻な」人権問題が起きていると発表した。

 同団体のロシア代表を務めるタニヤ・ロクシナ(Tanya Lokshina)氏は声明で、ロシアの人権状況をめぐっては「同性愛嫌悪に基づいた暴力の増加」や「国営メディアでの同性愛嫌悪的表現の使用」といった「多くの深刻な問題」が存在すると指摘した。

 同団体は、ロシアでの2013年の人権状況に関する報告書の中で、元石油王で反政権派のミハイル・ホドルコフスキー(Mikhail Khodorkovsky)氏や国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)の活動家ら、女性パンクバンド「プッシー・ライオット(Pussy Riot)」のメンバーの釈放により状況は改善したとしつつも、露政府は「市民社会と反政権派に対する締め付け」を継続したと指摘。

 特に、「同性愛のプロパガンダ(宣伝)」を禁じ、西側諸国から厳しく非難されている反同性愛法に焦点を当て、「これらの法律についての議論には、当局者などによる同性愛嫌悪的な表現、同性愛嫌悪に基づいた暴力の増加が付随している」と述べている。