中国当局、香港の出版社編集長を拘束か 反体制作家の新著準備中
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【1月22日 AFP】香港(Hong Kong)の英字日刊紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)は21日、中国の反体制派作家、余傑(Yu Jie)氏が執筆した習近平(Xi Jinping)国家主席に関する書籍を出版しようとしていた香港の出版社編集長が、中国当局に拘束され、約3か月にわたって勾留されていると報じた。
報道によれば、出版社「晨鐘書局(Morning Bell Press)」の姚文田(Yao Wentian)編集長(73)は昨年10月下旬、香港に近い広東(Guangdong)省深セン(Shenzhen)市に「誘い出され」た後、10人ほどの私服警官に囲まれ拘束された。
同紙は姚氏の妻の近親者からの情報として、姚氏は拘置所に拘束されており、警察は容疑を明かしていないが、密輸や輸入税の脱税が疑われている可能性があると報じている。
姚氏は、現在は米国を拠点に活動する余傑氏の新著「中国のゴッドファーザー、習近平」の出版を準備していた。
余氏はブログで、もうすぐこの書籍が出版されるという段階で、姚氏が失踪したと述べ、「習近平についての私の本に関する彼(姚氏)の仕事が、彼が拘束された主な理由だと思う」と記している。同書は4月に刊行予定だったという。余氏は過去に、温家宝(Wen Jiabao)前首相を痛烈に批判した著作「中国影帝温家宝」を発表したこともある。
姚氏は、同じく余氏の胡錦濤(Hu Jintao)前国家主席に関する著作の出版を準備していた12年に、自分が使用している米グーグル(Google)の電子メールサービス「Gメール(Gmail)」のアカウントがハッキングされているとして、同社に苦情を述べたことがある。
中国当局の検閲を受けた本は、英植民地だった経緯から特別行政区として半自治権を有している香港で度々ベストセラーになっている。
国境なき記者団(Reporters Without Borders)による報道の自由ランキングで、中国は昨年179か国中173位だった。(c)AFP