【1月20日 AFP】ウクライナの首都キエフ(Kiev)で19日、抗議活動を規制する新法が成立したことに抗議する反政権デモが開かれ、20万人が参加した。参加者の一部はその後、警察と数時間にわたり激しく衝突し、数十人が負傷した。

 同国ではビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)大統領と野党勢力との対立が2か月近く続いており、キエフ中心部は大規模な抗議デモにたびたび占拠されてきた。新たな流血の事態が発生したことにより、対立激化の恐れがさらに高まっている。

 キエフにある米大使館は暴力行為の中止を訴え、ウクライナ政府に対し「政治的対立を解決し、抗議者たちの懸念に対処し、暴力の拡大を防ぐため、直ちに各派との交渉を開始する」よう求める声明を出した。

 目撃者やAFP特派員らによると、ウクライナ議会近くでは、警察の非常線を突破しようとした数百人を解散させるため、警官隊が催涙ガスや放水砲を使用。議会の外では、催涙ガスの臭いがたちこめる中、デモ隊が警察のバスを襲撃、うち2台に火を放つなど、抗議行動が始まってから最も暴力的な場面の一つが見られた。