系外惑星、星団内にも多数存在する可能性 ESO観測
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【1月17日 AFP】太陽系以外の恒星系に存在する「系外惑星」が「星団」として知られる恒星の集団の中でも多数形成されている可能性があることが15日、欧州南天天文台(European Southern Observatory、ESO)などの天文学者チームより発表された。
系外惑星は1995年に最初に発見されて以来、これまでに数百個見つかっているが、星団内部ではほとんど見つかっていなかった。多くの星団では同時期に生まれた数百個の星々が銀河の同じ領域に固まって分布している。
星団内で惑星がほとんど見つからないことから、塵(ちり)とガスの塊から惑星が形成されるのを妨げる何かが星団内部に存在しているのではとの疑問が専門家の間で生じていた。
だが天文学者チームは、南米チリの砂漠にあるESOの系外惑星探査機器を使用して、惑星が星団内でも同様にありふれた存在である可能性が高いことを突き止めた。
チームは、メシエ(Messier)天体のひとつである「M67」星団内で惑星である可能性のありそうな星88個の観測を6年間にわたり継続した。M67は、かに座の方向約2500光年に位置する約500個の星からなる星団だ。
この観測で、興味深い惑星が3つ捕捉された。うち1つは、太陽に非常に良く似た恒星の周りを公転しているもので、系外惑星探査では非常に珍しい発見だ。この惑星については、公転軌道が中心星に非常に近いため、焼けつくような高い気温になっていることが予想される。そのため生命の源である水は液体では存在していないと考えられるという。
ドイツ・ガーヒンク(Garching)を拠点とするESOのルカ・パスキーニ(Luca Pasquini)氏は「これらの新しい結果が示しているのは、散開星団においても、惑星は孤立した星の周囲にあるのとほぼ同様にありふれているということ。ただ容易に検出されにくいだけだ」と述べている。(c)AFP