【1月16日 AFP】2005年にレバノンのラフィク・ハリリ(Rafiq Hariri)元首相が自動車爆弾で暗殺された事件を裁く、国連(UN)が設置した国際法廷「レバノン特別法廷(Special Tribunal for LebanonSTL)」で16日、イスラム教シーア(Shiite)派原理主義組織ヒズボラ(Hezbollah)のメンバーとされる4被告不在のまま公判が始まった。

 オランダ・ハーグ(Hague)の郊外に設置されている同特別法廷で始まった公判でデービッド・レー(David Re)判事は、「被告人が出廷し、無罪を主張しているものとして審理を進める。検察側に被告人の有罪を証明するよう求める」と述べた。

 反シリアの姿勢を表明していたハリリ元首相は2005年2月14日、大量の爆発物を載せた車両を使った自爆攻撃を受けて死亡。この攻撃では同元首相を含め合計23人が死亡、226人が負傷した。この事件を受け、国連安全保障理事会(UN Security Council)の決議で2007年に同特別法廷が設置された。この特別法廷は、テロ攻撃の犯人らを裁くために設置された国際刑事裁判所であるという点と、被告不在のまま審理することが認められている点で、他に類を見ない。

 この事件をめぐっては、当初親シリアのレバノン軍将官ら4人の身柄が拘束されていたが、同特別法廷が証拠不十分と判断しこの4人の釈放を命じた。その後、2011年になって、シリア政権側が支援するヒズボラのメンバー4人に対し逮捕状を出していた。昨年には5人目の容疑者が起訴されたが、今回の公判で審理の対象となるかは未定となっている。(c)AFP/Jan HENNOP