若者の肥満、富裕層でのみ減少 米国
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【1月15日 AFP】米国における過去10年間の若者の肥満者の数が、裕福な家庭では減少したが貧困層の家庭では逆に増加した──13日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the NationalAcademy of Sciences、PNAS)に掲載された研究論文で分かった。
米ハーバード大学(Harvard University)の専門家らは、米国の10代の若者の肥満が減少傾向にあるとされた調査の結果について詳細に調べたところ、減少が見られたのは富裕層に限定されていたことが明らかになった。
研究チームは、対象となった10代の若者の両親の収入および教育水準と国内の主要な調査2件を照らし合わせた。その結果、肥満の度合いは、家庭階級間でその差が徐々に開きつつあることが分かったという。
肥満率は2000年半ばから、大卒の両親を持つ若者の間で減少し始めたが、高卒の両親を持つ若者の間では増加した。同様の傾向は、研究チームが家庭の収入水準を比較した調査でも見られた。
ただ人種間に見られる傾向については、階級と民族性との間の相関関係を調査できる信用度の高いデータがないことを研究チームは説明した。
米国の12~17歳の若者の肥満率は、1980年代後半~2000年代半ばまでの間に2倍近くに増加した。米政府が公表したデータによると、1988~1991年の間に約9%だった10代の若者の肥満率は、2003~2004年までに17%となった。以降、この数字は、10年前から横ばいとなっている。
米国での10代の若者と子どもの肥満についての調査は、米疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)による図表を基としている。