自爆犯阻止して死亡の少年に「勇気の星」賞、パキスタン政府が方針
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【1月12日 AFP】パキスタン政府は、自らの命を犠牲にして自爆犯の攻撃から約1000人の生徒の命を守った少年に、その勇気ある行動をたたえて同国で最高の賞を贈る方針を決めた。
カイバル・パクトゥンクワ(Khyber Pakhtunkhwa)州のハングー(Hangu)に住むアティザズ・ハサン(Aitzaz Hassan)さん(15)は今月6日、学校を攻撃する目的でやってきた男を取り押さえた。
警察関係者が9日、AFPに明らかにしたところによると、アティザズさんは学校の正門から150メートル離れたところで自爆犯の男を食い止めたが男は自爆し、アティザズさんは搬送先の病院で死亡した。ほかの生徒たちは全員無事だった。
10日夜に「殉教したアティザズさんの勇敢な行動は大勢の生徒の命を救い、勇気と愛国心の素晴らしい模範となった」という声明を発表していた首相府は、マムヌーン・フセイン(Mamnoon Hussain)大統領に、「勇気の星」賞をアティザズさんに贈るよう助言したことを明らかにした。
首相府関係者が11日、AFPに対して語ったところによると、この賞は大統領の承認を得た上で、パキスタンの英領インドからの分離独立が決議されたことを記念する3月23日の「共和国記念日」にアティザズさんの家族が受け取る予定だ。
ソーシャルメディアはアティザズさんをたたえるコメントであふれている。パキスタンの新聞やテレビ、ソーシャルメディアサイトは、アティザズさんを同国で最高の賞にふさわしい英雄だと呼んでいた。
女子教育の権利を訴えてイスラム武装勢力タリバン(Taliban)に銃撃され重傷を負ったパキスタンの少女マララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)さんも、アティザズさんに「国の最高の賞」を贈るよう訴えていた。(c)AFP/Sajjad TARAKZAI