デジタル移行が新聞を圧迫、「読者減ってない」 カナダ業界団体
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【1月9日 AFP】カナダの新聞業界団体「ニュースペーパーズ・カナダ(Newspapers Canada)」のジョン・ハインズ(John Hinds)代表兼最高経営責任者(CEO)は7日、カナダの新聞業界を圧迫しているのは収益や読者の不足ではなく、電子化への移行だと述べた。収益と読者数はむしろ増えているという。
ハインズ氏は地元紙バンクーバー・サン(Vancouver Sun)に「新聞各社とも読者数の問題は抱えていない。世間には大きな誤解がある」と述べた。「クロスプラットホームに移行するにあたって収益面の問題──それらのコストをどう賄っていくのか──が生じている。だが読者数はこれまでで最も多くなっており、さらに増加しているのだ」
グレーシア・メディア(Glacier Media)は今週、80年続いた日刊紙カムループス・デイリー・ニュース(Kamloops Daily News)を経営難のため廃刊すると発表していた。
ハインズ氏は、経済低迷に伴って広告収入が減少したものの、回復してきていると指摘した。
■読者数は変わらずも、新聞事業の縮小続く
新聞の発行部数などを調査するNADbankによると、カナダ人で紙媒体の新聞を毎日読む人は全体の50%、少なくとも週1回読む人は75%に上っている。近年、オンライン版の読者が増加しているが、紙媒体の読者数は変わっていない。
だがカナダでは2013年、4つの日刊紙が週刊に切り替えた。無料日刊紙「24 Hours」はオタワ(Ottawa)、エドモントン(Edmonton)、カルガリー(Calgary)の3都市で発行をやめた。
また、カナダ最大の新聞社、サン・メディア(Sun Media)も、「デジタル革命の影響を受け、印刷メディア業界で起きている前例のない変化」に対応するための再編の一環として、全国で1000人超の人員削減を実施している。(c)AFP