【1月7日 AFP】5日に実施されたバングラデシュの総選挙で圧勝した与党アワミ連盟(Awami League)のシェイク・ハシナ・ワゼド(Sheikh Hasina Wajed)首相は6日、同党勝利の正当性を主張し、投票日に前例のない規模で死傷者が出たことについては総選挙をボイコットした野党勢力に責任があると述べた。

 再選が確定したハシナ首相は、首都ダッカ(Dhaka)の首相公邸で6日に行われた外国からの報道陣との記者会見で、最大野党バングラデシュ民族主義党(Bangladesh Nationalist PartyBNP)が選挙のボイコットという過ちを犯したことを非難し、カレダ・ジア(Khaleda Zia)BNP党首に対しては和解を申し出るつもりはないと述べた。

 記者会見でハシナ首相は、ボイコットがあっても「正当性が疑問視されることにはならない」としながら、与党寄りの他党からも少数の支持者が立候補したことを引き合いに出して「国民は選挙に参加し、他の党も参加した」ことを強調した。

 今回の選挙勝利でハシナ氏の再任が決まり同氏はさらに5年間首相を務めることになるが、野党側はその無効を訴え、できるだけ早期の選挙のやり直しを呼び掛けている。

 5日の投票日は、同国の選挙史上最も激しい暴力行為が各地で発生し、警察当局によると26人が死亡、野党支持者により約600の投票所が襲撃された。投票率の公式発表は行われていないが、選挙の関係者によると首都ダッカで投票した人は4人に1人にも満たなかったという。

 300議席のうち、アワミ連盟と同連盟系の候補者153人が対立候補不在により無投票当選していたため、投票日以前から選挙の有効性を疑う声はすでに聞かれていた。(c)AFP/Kamrul Hasan Khan