古代エジプトのビール醸造者の墓、日本の考古学チームが発見
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【1月5日 AFP】エジプト考古省は3日、早稲田大学(Waseda University)の近藤二郎(Jiro Kondo)教授が率いる考古学チームが先ごろ、同国のルクソール(Luxor)で新王国時代のビール醸造者の墓を発見したと発表した。
第18王朝のアメンホテプ3世(Amenhotep III)の時代の高官の墓付近を清掃していた際に見つかったという。
ムハンマド・イブラヒム(Mohamed Ibrahim)考古相は、約3200年前に生存していたビール醸造者Khonso Em Hebの墓の発見は、ルクソール墓地遺跡における最も重要な発見の一つだとしている。
墓の内部にある壁画や天井画、彫像は、家族関係や宗教儀式の様子など古代エジプトの日常生活を詳しく描写している。ラムセス王朝時代に王の貯蔵所も管理していたKhonso Em Hebが、妻と娘と共に神々に供え物をささげる様子を描いたものもある。
考古省によると、発掘調査が完了するまで墓地の周辺には厳重な警備態勢が敷かれるという。
ナイル(Nile)川の両岸に広がり、およそ50万人が暮らしているエジプト南部のルクソールには複雑な構造の寺院やファラオたちの墓のほか、推理作家のアガサ・クリスティ(Agatha Christie)が『ナイルに死す(Death on the Nile)』を書いたとされるウインター・パレス(Winter Palace)ホテルなどの建物もある。(c)AFP