【1月3日 AFP】チェコの首都プラハ(Prague)にあるパレスチナ自治政府の大使公邸で爆発が起き、ジャマル・ジャマル(Jamal al-Jamal)駐チェコ大使(56)が死亡した事件で、チェコの警察当局は2日、公邸から未登録の武器が複数見つかったと発表した。

 ジャマル大使は今月1日、公邸で金庫を開けた際に起きた爆発で死亡した。チェコ当局は、爆発はテロ攻撃ではなく事故だとみて、パレスチナ当局と協力して捜査を進めている。

 プラハ市警のマルティン・ボンドラシェク(Martin Vondrasek)氏は公共ラジオで、「何らかの爆発物の未熟な取り扱い」が爆発の原因だと指摘。また、公邸内で見つかった武器について「詳細は言えないが、いずれもチェコ共和国において登録されたものではない」と述べた。

 チェコ週刊誌「レスペクト(Respekt)」は匿名の警察筋の情報として、爆発は、ジャマル大使が公邸の金庫内に隠されていた爆弾の取り扱いに失敗したためではないかと伝えている。同誌によれば、公邸からは自動小銃など10人規模の戦闘部隊の装備に相当する武器が見つかったという。

 爆発したとされる金庫について、パレスチナ自治政府のリヤド・マルキ(Riyad Al-Malki)外相は「古いもので、間違った開け方をすると扉に仕掛けられた爆発物が爆発する仕組みになっていた」と述べた。一方、在チェコ・パレスチナ大使館はAFPの取材に、問題の金庫はほぼ毎日使われており、防犯用の仕掛けなどはなかったと述べている。

 ジャマル大使はマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)パレスチナ自治政府議長率いる主流派「ファタハ(Fatah)」所属で、昨年10月に駐チェコ大使としてプラハに着任したばかり。チェコはイスラエルの同盟国で、2012年には国連(UN)でのパレスチナの資格を「オブザーバー国家」へ格上げする国連総会決議案に反対票を投じている。一方、プラハには1981年からパレスチナ解放機構(PLO)の代表部があり、88年に大使館に格上げされている。(c)AFP/Jan FLEMR