【1月3日 AFP】8年間昏睡(こんすい)状態にあるイスラエルのアリエル・シャロン(Ariel Sharon)元首相(85)の容体が2日さらに悪化し、生命維持に必要な「重要な臓器」が機能不全に陥りつつあると、同氏が入院している病院が発表した。

 テル・ハショメール(Tel Hashomer)総合病院のゼエブ・ロトスタイン(Zeev Rotstein)院長は公共ラジオ放送で、「ここ数日間、アリエル・シャロン氏の生存に不可欠な重要器官の機能が徐々に低下している様子がうかがえる」として、「同氏は危篤状態にあり、生命の危険がある」と明かした。さらに、「シャロン氏の医療スタッフとご家族は最悪の事態も想定している」と付け加えた。

 同国メディアが報じたところによると、シャロン氏は手術後に「深刻な腎障害」を来して1日に容体が悪化。同国ニュースサイト「Yネット(Ynet)」は医療筋の話として、同氏は1か月前に集中治療室に移されていたと伝えた。同氏の容体はその後安定していたが、ここ数日で「著しく悪化した」という。

 同国の右派政治家として長く指導的立場にあったシャロン元首相は、2006年1月4日に重度の脳卒中で倒れて以降、一度も回復することなく意識不明の状態が続いている。しかし発症から7年が経過した昨年1月、イスラエルと米国の専門家が同氏のMRI 検査を行ったところ、家族の写真に反応するなどの「顕著な脳活動」を示したと発表していた。(c)AFP