南極海で立ち往生のロシア船、ヘリで全乗客を無事救助
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【1月3日 AFP】(写真追加)南極海で厚い氷に阻まれて立ち往生しているロシアの調査船「アカデミック・ショカリスキー(MV Akademik Shokalskiy)」号の船内でクリスマスと新年を迎えた乗客52人は2日、ヘリコプターで全員無事救助された。
昨年12月24日から10日間にわたり、南極の仏デュモン・デュルビル(Dumont d'Urville)基地の東方約100カイリで動けなくなっていたショカリスキー号には、これまで中国の雪龍(Xue Long)号、フランスのラストロラーブ(L'Astrolabe)号、オーストラリア政府派遣のオーロラ・オーストラリス(Aurora Australis)号の3隻の砕氷船が接近を試みたがあえなく断念していた。
その後中国の雪龍号搭載のヘリコプターで空から救助することに作戦を切り替えたものの、悪天候と海上の氷が災いし、実際に救出作業が始まったのは豪時間2日午後5時(日本時間同日午後3時)ごろだった。
天候の回復を待って、ショカリスキー号の横に作った仮設の離着陸場に雪龍号の救助ヘリが到着、科学者や観光客、報道関係者らからなる乗客を12人のグループに分け、1組ずつ空路でオーストラリス号付近の氷盤まで運んだ。オーストラリア海洋安全局(Australian Maritime Safety Authority、AMSA)は、乗客全員が午後10時16分(日本時間同8時16分)に無事オーストラリス号に到着したと発表した。調査隊のリーダーの1人、クリス・ターニー(Chris Turney)さんが救出活動が始まったと最初に発表してから、約5時間経過していた。