【12月30日 AFP】ロシア当局によってメンバー2人が2年近く収監された女性パンクバンド「プッシー・ライオット(Pussy Riot)」──無名の反逆者だった彼女たちは、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に断固として反抗する立場を貫き、世界から注目される存在になった。

 手作りの目出し帽とネオンカラーの衣装に身を包んだプッシー・ライオットは、公の場での即興パフォーマンスで、ロシアの絶対的指導者であるプーチン大統領による市民の声の抑圧を非難した。

 彼女たちは2011年10月から、首都モスクワ(Moscow)の地下鉄駅や、赤の広場(Red Square)でさえもパフォーマンスを行ってきた。だが、その名を国内外に知らしめたのは、翌12年の2月21日、モスクワ最大の正教会の祭壇に上り、自分たちが行ってきた中で最も挑発的なパフォーマンスを行ったときだ。

 彼女たちは、教会の祭壇画の前で飛び跳ねながら、自分たちが「パンクの祈り」と呼ぶパフォーマンスを実行。「聖母マリア様、私たちをプーチンから救ってください」と題した歌を歌おうとした。警備員が止めに入ったが、メンバーの何人かは逃走し、彼女たちの素性が明らかになることはなかった。

 しかし後に、マリア・アリョーヒナ(Maria Alyokhina)さん(25)、ナジェージダ・トロコンニコワ(Nadezhda Tolokonnikova)さん(24)、エカテリーナ・サムツェビッチ(Yekaterina Samutsevich)さん(31)の身元が判明し、3人は逮捕され、同年8月、宗教的憎悪にもとづくフーリガン行為の罪で有罪となった。

 同10月には、サムツェビッチさんは執行猶予付きの刑を言い渡され釈放されたが、幼い子供がいる他2人の訴えは認められることなく、懲役2年が言い渡された。