【12月30日 AFP】独ニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)は29日、米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)が、欧州、北アフリカ、アジア間を結ぶ主要通信ケーブルに関する機密データの収集を行ってきたと報じた。

 報道の根拠とされたのは、「最高機密」や「外国人の閲覧禁止」との表記がある2月付の極秘NSA文書。「Sea-Me-We 4SMW4)」と呼ばれる海底ケーブルシステムを対象としたスパイ活動の成功について記載したものだとされる。

 フランス南部マルセイユ(Marseille)近郊を起点とするこの巨大な光ファイバーケーブルは、欧州と北アフリカ、ペルシャ湾岸諸国を連結し、パキスタンを経由してインド、マレーシア、タイまで続いている。

「同システムの株を保有している企業には、現在はオレンジ(Orange)として知られ、まだ一部が国有の仏通信最大手フランステレコム(France Telecom)や、テレコム・イタリア・スパークル(Telecom Italia Sparkle)などがある」とシュピーゲル誌は報じている。

 同誌によると、NSAは、回路マッピングやネットワーク管理の情報が記載された技術インフラ関連文書を集めるために、SMW4を運営するコンソーシアムが所属する内部ウェブサイトに侵入したという。

 また、同NSA文書には、SMW4などのケーブルシステムに関するさらに多くの情報を収集する計画が立てられていたと書かれていたという。

 シュピーゲル誌はこの数か月にわたり、NSAの監視活動を暴露し米当局に訴追された米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者から入手した文書を用いて、米国内外の標的に対するNSAの大規模なスパイ活動について報じている。(c)AFP