【12月29日 AFP】シリア北部アレッポ(Aleppo)で28日、ヘリコプターがTNT火薬を詰めた複数のたるを野菜市場と病院の横に投下し、子供を含む少なくとも25人の一般市民が死亡した。英国に本部を置くシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)が発表した。

 シリア人権監視団は先に発表していた集計を更新し、「死亡者は女性2人と子供4人、および十代の若者とメディア関係者それぞれ1人を含む計25人になった。数人が重体になっているため、死者はさらに増える可能性がある」と発表した。

 シリアの活動家から成るネットワーク、「シリア革命総合委員会(Syrian Revolution General CommissionSRGC)」は、この空爆を「虐殺」と非難。「野菜や家電製品を買う人々で混雑する市場が狙われた。多くの建物が損傷し、うち1軒は倒壊した」と述べた。

 シリア人権監視団およびアレッポにいる活動家らによると、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領政権は今月15日以降、アレッポとその周辺地域に対する大規模な空爆を実施。400人以上が死亡しており、そのほとんどが一般市民だという。

 戦闘機からはロケットが、ヘリコプターからはいわゆるたる爆弾が、しばしば反体制派が掌握する地域の中の人が大勢集まる場所に投下され、住民は恐怖でおびえているという。

 人権団体およびアラブや欧米諸国は、今回の攻撃を「無差別」で「非合法」だと非難しているが、アサド政権側は「テロリスト」を標的にしているだけだと述べている。(c)AFP