【12月27日 AFP】北極海の石油採掘に抗議してロシア当局に9月から拘束されていた国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)の活動家ら30人全員に対する起訴が、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の恩赦によって26日までに取り下げられた。活動家らは出国を始めている。

 ロシア政府は既に14人の出国用ビザを発行済みで、26日には最初の1人がサンクトペテルブルク(Saint Petersburg)を列車で出発し、同日夜、フィンランドの首都ヘルシンキ(Helsinki)に到着した。グリーンピースの声明によると、翌27日には残るメンバーの大半がロシアを出国する予定だ。

 ロシア当局による起訴取り下げには、来年2月に開催のソチ冬季五輪を前にロシアのイメージを改善させようという政府の狙いがあるとみられている。

 抗議船「アークティック・サンライズ(Arctic Sunrise)」に乗ったグリーンピースの活動家ら30人は9月19日、北極圏のバレンツ海(Barents Sea)で露国営エネルギー大手ガスプロム(Gazprom)所有の石油プラットフォームによじ登る抗議行動を実施し、露沿岸警備隊に身柄を拘束された。ロシア当局は当初30人を最高で懲役15年に相当する「海賊行為」で起訴したが、国際社会の懸念が高まる中、容疑をより軽微な「フーリガン行為」に変更。さらに先週、恩赦法が成立したことを受けて全員の起訴が取り下げられた。(c)AFP