仏エリゼ宮に劇場支配人が車で突入、補助金カットに抗議
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【12月27日 AFP】フランス・パリ(Paris)で26日、イタリア人の男が仏大統領府エリゼ宮(Elysee Palace)に車で突っ込む騒ぎがあった。仏警察当局が発表した。自身が支配人を務める市内の劇場の補助金がカットされたことへの抗議が目的だったという。
警察筋によると、事件を起こしたアッティリオ・マッジュリ(Attilio Maggiulli)容疑者(67)はただちに身柄を拘束された。車は裏門に突っ込んだが、速度は遅く、フロント部分が軽くぶつかっただけで、アピール的な意味合いの強い行動とみられる。「もし目的が話題集めなら、成功したといえる。だが、自身の行動に対するつぐないをしなければいけない」と同情報筋は述べている。
マッジュリ容疑者は、パリ・モンパルナス(Montparnasse)地区で座席数100席のイタリア作品専門の劇場「ラ・コメディ・イタリエンヌ(La Comedie Italienne)」を運営している。その他の警察筋によると、数日前にもエリゼ宮近くで道化の人形を燃やし、自分の劇場への補助金がカットされたことを批判するチラシを道路にまくなどの抗議を行い、警察から事情聴取されていた。
マッジュリ容疑者はイタリア・オペラの著名な演出家ジョルジョ・ストレーレル(Giorgio Strehler)氏の弟子。自身の劇場の資金難を訴える抗議行動を繰り返してきた過去があり、10年前にもハンガーストライキを行ったことがある。(c)AFP