【12月24日 AFP】国連(UN)の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は、治安情勢が悪化している南スーダンへの軍事および警察要員増派を国連安全保障理事会(UN Security Council)に勧告した。

 南スーダンでは現在、軍事要員約7000人、警察要員700人、事務要員2000人の国連平和維持活動(PKO)の南スーダン派遣団(UNMISS)が展開中だが、潘事務総長は23日の記者会見で、民間人保護のために軍事要員5500人、警察要員423人の増派が必要だと説明した。

 ジェラール・アロー(Gerard Araud)仏国連大使によると、国連安保理(15か国)は勧告を受けて米国が提出した増派に関する決議案を、24日午後3時(日本時間25日午前5時)に会合を開いて採択する。

 潘事務総長は同じ記者会見で、戦闘が激化してから南スーダンのサルバ・キール・マヤルディ(Salva Kiir Mayardit)大統領や地元部族の指導者らと接触したことを示唆した。

 あわせて潘事務総長は、歩兵部隊5個、攻撃用ヘリコプター3機、輸送用ヘリコプター3機、C130軍用輸送機1機の南スーダン移送を求めた。AFPが入手した潘事務総長から安保理に宛てた書簡のコピーによると、南スーダンへの補強はアフリカに展開中の別の国連部隊から充当されるとみられる。また警察要員計423人から成る警察部隊3個に加えて、人権問題の専門家も南スーダンに派遣する構想だ。(c)AFP