【12月23日 AFP】大統領派と前副大統領派の政治的対立に端を発した民族間の戦闘が拡大する南スーダンで23日、政府軍が、北部油田地帯や首都近くの州などを掌握した反政府武装勢力に対し、大規模な鎮圧作戦を実施すると発表した。国際社会による和平への取り組みが続く中、同国は内戦に向かっている。

 南スーダンでは、サルバ・キール・マヤルディ(Salva Kiir Mayardit)大統領が、7月に解任されたリヤク・マシャール・テニー(Riek Machar Teny)前副大統領がクーデターを計画していると糾弾して以来、1週間以上にわたって戦闘が続いている。

 マーシャル前副大統領は、キール大統領が政敵の粛清を行っていると非難し、マヤルディ大統領の追放を誓った。

 マーシャル前副大統領率いる武装勢力は、首都ジュバ(Juba)のわずか200キロメートル北にあるジョングレイ(Jonglei)州の州都ボル(Bor)を掌握。21日には油田地帯の北部ユニティ(Unity)州を管轄する軍司令官がマーシャル前副大統領側に付くことを表明し、同副大統領側が同州の州都ベンティウ(Bentiu)を掌握した。

 原油生産は南スーダン経済の95%以上を占める主要部門。17日に従業員少なくとも5人が死亡したことを受け、原油企業は従業員を退避させた。

 南スーダン政府も、ユニティ州が反政府勢力の掌握下にあることを認めた。国連は、ジュバから「必要不可欠でない」職員の退避を開始したと発表。ジュバの国連施設には民間人2万人ほどが避難しているという。(c)AFP/Waakhe Simon WUDU