汚職疑惑に揺れるトルコ・エルドアン政権、与党と警察が対立
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【12月23日 AFP】政府閣僚の間に広がる汚職疑惑に揺れるトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相は22日、疑惑を利用して政権を攻撃するなら「その手をへし折ってやる」と述べ、政敵に真っ向から対決する姿勢を示した。
エルドアン首相は黒海(Black Sea)地方のギレスン(Giresun)で、公正発展党(AKP)支持者らを前に「誰もが身の程を知ることになる」「わが国に危害を及ぼし、扇動し陥れようと企む者たちは誰であれ、その手をへし折ってやる」などと述べた。
一方、イスタンブール(Istanbul)では同日、内閣総辞職を求める数千人規模の反政府デモ隊が機動隊と衝突した。デモの主な目的は巨大都市開発プロジェクトへの反対だが、靴箱を掲げて閣僚の汚職に怒りを表す参加者もいた。
■汚職捜査に警察幹部更迭で対抗
トルコの政界は今、大規模な汚職捜査をめぐり、警察や司法当局などの中枢に強い影響力を持つ有力なイスラム教聖職者、フェトフッラー・ギュレン(Fethullah Gulen)師と、与党・公正発展党(AKP)との確執が表面化している。
汚職捜査で起訴された24人の中には、エルドアン内閣のムアメル・ギュレル(Muammer Guler)内相の息子とザフェル・チャーラヤン(Zafer Caglayan)経済相の息子、国有ハルク銀行(Halkbank)の頭取が含まれている。報道によれば警察は、ハルク銀行のスレイマン・アスラン(Suleyman Aslan)頭取の自宅で、靴箱に隠された450万ドル(約4億6000万円)相当の現金を押収したという。
これに対しエルドアン首相は、大規模な汚職捜査は3月の地方選挙を控えた政権に対する中傷工作だと批判。イスタンブール市警トップなど数十人の警察幹部を令状なしに捜査を行ったとして更迭した。地元メディアは22日、さらに25人の警察幹部が解任されたと伝えている。(c)AFP/Fulya OZERKAN