【12月21日 AFP】女性権利団体「FEMEN」ウクライナ支部のリーダー、インナ・シェフチェンコ(Inna Shevchenko)さん(23)が19日、上半身裸でバチカンのサンピエトロ広場(St Peter's Square)の近くに現れ、中絶に関するローマ・カトリック教会の姿勢を非難した。

「クリスマスは中止!」などと叫びサンピエトロ広場に向かって走り出したシェフチェンコさんだったが、およそ20人の警察官に阻止された。警察官らは報道関係者が撮影するのを妨げようと、胸に「イエスは中絶された」と書かれていたシェフチェンコさんを素早く取り囲み、シェフチェンコさんを毛布で隠しながら警察車両に乗り込ませた。観光客や礼拝に訪れた人たちが一連の出来事を困惑した様子で見守った。

 FEMENは、フランシスコ(Francis)法王が選出された今年3月の「コンクラーベ(conclave)」の前夜など、以前からサンピエトロ広場で抗議行動を行おうとしてきたほか、キリスト教関連施設で人工妊娠中絶への支持を訴えてきた。

 ウクライナで創設されたFEMENは、イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)元首相やロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領などさまざまな政治家・宗教関係者をやり玉に挙げ、胸をあらわにした上半身裸の女性たちの過激な抗議行動で世界の注目を集めてきた。(c)AFP