【12月20日 AFP】(一部更新)クーデター未遂とされる衝突を機に軍部隊同士の戦闘が続き内戦の懸念が高まっているアフリカ・南スーダンで19日、民間人が避難している国連南スーダン派遣団(UNMISS)の基地が襲撃され、平和維持活動(PKO)要員のインド軍兵士3人が死亡した。国連安全保障理事会(UN Security Council)は事態を受け、20日に緊急会合を招集する。

 インドのアショク・ムケルジ(Asoke Mukerji)国連大使によると、死亡したインド兵3人は、東部ジョングレイ(Jonglei)州アコボ(Akobo)のUNMISS基地がヌエル(Nuer)人の若者らの襲撃を受けた際に「標的とされ、殺害された」という。

 襲撃前、同基地にはディンカ(Dinka)人の民間人30人以上が避難していた。ファルハン・ハク(Farhan Haq)国連副報道官は他にも死者が出た可能性に言及し、ディンカ人が無事かどうかは不明だと述べた。同基地を拠点としていたPKO要員約40人と国連警察顧問6人は、安全な場所へ移動した。

 南スーダンでは、国内多数派のディンカ出身のサルバ・キール(Salva Kiir)大統領が7月にヌエル出身のリヤク・マシャール(Riek Machar)前副大統領を解任。今月15日、首都ジュバ(Juba)でマシャール氏を支持する軍部隊が大統領派の部隊と衝突し、これまでに兵士100人ほどを含む約450人が死亡している。

 マシャール派の反乱部隊はさらに18日、ジョングレイ州の州都ボル(Bor)を制圧。同州内では軍と反乱部隊との戦闘が続いており、民族紛争の懸念が高まっている。

 ハク国連副報道官によると、治安悪化に伴い国連はアコボの基地に60人のPKO増派を決めていたが、移動が困難だったため到着は20日になると見込まれていたという。同基地周辺には民間人1万4000人が集まっており、市内の空港と合わせて国連部隊が警備しているという。(c)AFP