【12月18日 AFP】米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)の監視プログラムを暴露して米当局に訴追された米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者は17日までに、ブラジル政府に宛てた公開書簡で、同国に対する米国による情報収集活動についての捜査に「協力する用意がある」と申し出た。

 スノーデン容疑者からの協力の申し出については、17日付けの紙面に英語とポルトガル語で書かれた同容疑者の書簡を掲載したブラジルのフォリャ・ジ・サンパウロ(Folha de Sao Paulo)紙をはじめ、多くが、同容疑者が最終的にはブラジルへの亡命を希望しており、同国政府に許可を求めるためだとみている。

 スノーデン容疑者は書簡の中で明確にブラジルへの亡命を求めてはいないものの、同国の上院議員から「ブラジル国民に対する犯罪の疑いがある事案についての捜査への支援を要請された」と明らかにしているほか、「適切かつ合法的であればどの国でも」協力する用意があると述べている。しかし、「残念ながら、米政府の妨害によって実際に協力する能力は制限されている」とし、「どこかの国が恒久的な政治亡命を認めてくれまで、米政府による私への干渉は続くだろう」と述べている。

 これまでにも比較的多くの亡命を認めてきた経緯があるブラジルだが、外務省はAFPに対して17日、スノーデン容疑者からの亡命申請は「公式には一切、受けていない」と明らかにした。

 ロシアに1年間の一時亡命を認められる以前の今年7月、スノーデン容疑者は非公式に、ブラジルをはじめ複数の国に亡命を要請していた。(c)AFP