【12月18日 AFP】シリア軍は17日、北部アレッポ(Aleppo)の反体制派が支配する地域で3日目となる空爆を実施した。一連の空爆による死者は100人を超え、周辺地域の病院は負傷者であふれかえっているという。

 英国を拠点に、シリア国内の活動家や目撃者たちから情報を収集しているシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、17日の空爆では少なくとも20人の市民が死亡し、うち2人が子どもだった。また、15、16の両日に行われた空爆による死者は、子ども32人を含む86人に上ったという。

 国境なき医師団(Doctors Without Borders)によると、同市周辺の3病院の前には数十人の遺体が並べられ、遺族による引き取りを待っている。これら病院は負傷者であふれているという。

 また、同国の内戦が激しさを増す中、英国政府は17日、病院でボランティアとして活動するためにシリア入りし、アレッポで身柄を拘束されていた英国人医師が、シリア政府によって事実上殺害されたと発表した。一方のシリア政府は、同医師が収監中に自殺したと主張している。

 アレッポはシリア第2の都市で、かつては商業の中心地だった。しかし昨年、反体制派が同地に攻勢をかけ始めて以降、内戦の最前線となり、現在は政府と反体制派の支配地域に分割されている。

 2011年3月、民主化を求める抗議活動を政府が暴力的に弾圧したことをきっかけに始まったシリア内戦による犠牲者は、12万6000人に上ると推定されている。(c)AFP