失踪の米男性はイラン当局が拘束、目撃者が証言 米紙
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【12月17日 AFP】6年前に米連邦捜査局(FBI)元捜査官の米国人男性がイランで行方不明になった事件をめぐり、男性がイラン当局に身柄を拘束されているとの証言が浮上した。米メディアが16日に伝えた証言は、最後にこの男性と会っていたとする人物によるもので、男性は米中央情報局(CIA)の情報収集活動中だったという。
米紙クリスチャン・サイエンス・モニター(Christian Science Monitor)が掲載したのは、イランで行方が分からなくなった捜査官の米国人男性、ロバート・レビンソン(Robert Levinson)氏と最後に会ったというダウド・サラフディン(Dawud Salahuddin)氏のインタビュー記事。
サラフディン氏によると、2人は2007年3月9日、イランのキシュ島(Kish Island)にあるマリアムホテル(Maryam Hotel)で面会した。サラフディン氏は1980年、イラン革命政府を批判する人物を米国内で殺害した容疑で手配され、イランに逃亡。その後、イスラム教に改宗し、現在もイランで暮らしている。
身柄が拘束される前、レビンソン氏はサラフディン氏に情報提供者にならないかと話を持ち掛けていたという。「私たちはロビーにいた。私は(イラン当局者に)別の場所に連れて行かれ、立ち去る際にレビンソン氏がイランの警察官4人に取り囲まれているのが見えた」とサラフディン氏は語った。
■「CIA要員」報道でレビンソン氏釈放に可能性
米当局は長らく、レビンソン氏がただのビジネスマンで、海外出張中に失踪したとの主張を繰り返してきた。だが先週、米メディアはレビンソン氏が実際はCIAの秘密情報収集活動に従事していたと報じている。
イランのモハマド・ジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相は15日の会見で、レビンソン氏の所在については何も知らないと語った。レビンソン氏の身に起こったことは「謎」で、イラン当局は身柄を拘束してはいないと述べた。
だが、サラフディン氏は、レビンソン氏がCIAの情報要員だったことが報じられたことで、イランがレビンソン氏を釈放する可能性が出てきたと指摘する。
「イラン当局は実際に情報要員を捕らえていたのだから、イランが(レビンソン氏の所在について)長年うそをついてきたことも正当化できるだろう」とサラフディン氏は述べた。(c)AFP