【12月17日 AFP】ニュージーランドの象徴的な鳥キウイだが、実はその祖先はオーストラリアから飛来した鳥だったとする、ニュージーランドの人々にとっては衝撃的とも言える研究論文を、国際学術団体「Society of Avian Paleontology and Evolution(鳥類古生物進化学会、SAPE)」が発表した。

 飛べない鳥キウイはこれまで、恐鳥とも呼ばれた絶滅した巨大な鳥モアから進化したと考えられてきたが、SAPEの会長で豪フリンダース大学(Flinders University)の古生物学者トレバー・ワージー(Trevor Worthy)氏によれば、そうではなかった。ニュージーランドの南島(South Island)で見つかった2000年前のキウイの祖先とされる鳥類の化石は、モアよりもオーストラリアに現存する飛べない大型鳥類エミューに近かったという。

 ワージー氏は、南島で見つかった化石の鳥類とエミューは共通の祖先を持ち、その祖先はオーストラリア原産で後にニュージーランドに拡散したとみられると話す。「DNAが示すようにキウイがエミュに近い種ならば、キウイとエミュの祖先は飛ぶことができる共通の鳥だったはずだ。つまり、小さく機敏だったその鳥がニュージーランドにも飛んできたと考えられる」。(c)AFP