ロシア、EU国境へのミサイル配備認める
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【12月17日 AFP】ロシアは16日、核弾頭を搭載することのできるミサイルを欧州連合(EU)との国境近くに配備したことを明らかにした。
独紙ビルト(Bild)が前週末、ロシアが2012年に短距離弾道ミサイル「イスカンデル(Iskander)」(最大射程500キロ)10基をポーランドとリトアニアに隣接する飛び地カリーニングラード(Kaliningrad)に配備したと報道したことを受け、ロシア国防省が認めた形だ。
露国防省のイーゴリ・コナシェンコフ(Igor Konashenkov)報道官によると、ロシアはミサイル数基を既に西部軍管区(Western Military District)に配備したという。カリーニングラードを含む同管区は、旧ソ連邦から独立したバルト三国と国境を接している。現在、リトアニア、ラトビア、エストニアからなるバルト三国は、欧州連合(EU)に加盟している。
ロシア政府は2011年、東欧での北大西洋条約機構(NATO)ミサイル防衛(MD)システム配備計画への対抗措置として、短中距離弾道ミサイルの配備を警告。これに対しNATO側は、MD配備計画はロシアを念頭に置いたものではなく、いわゆる「ならず者国家」から欧州各国を防衛するものと主張していた。
最新型のイスカンデルは、NATOの新MDシステムに対して使用される可能性があり、米国やポーランドなどロシア近隣諸国からは懸念の声が上がっている。米国務省のマリー・ハーフ(Marie Harf)副報道官は、地域の不安定化につながるような行為を避けるようロシアに求める声明を発表した。
一方、ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は、イスカンデルの配備は「国際条約や合意に何ら違反するものではなく、西側から批判される言われはない」と主張した。(c)AFP/Dmitry ZAKS