「でたらめ手話通訳」の男性、殺人疑惑を否定 南ア
このニュースをシェア
【12月17日 AFP】南アフリカで前週行われたネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領の追悼式で、でたらめな手話通訳を行ったとされる男性が16日、過去に殺人罪で訴追されていたとの報道について否定した。
追悼式で米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領ら各国首脳のすぐ隣で手話通訳を務めたタムサンカ・ジャンティ(Thamsanqa Jantjie)さんは、南アフリカの手話専門家らから「ただ単に腕を動かしていただけ」の偽物だと批判されたが、本人は持病の統合失調症の発作のせいだと弁明している。
さらに、ジャンティさんが2003年に2人が焼死した暴動に参加したことを認めたと、同国紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)が報じたことで、警備体制の不備について更なる疑問が持ち上がっている。
同紙によると、ジャンティさんは「あれは、地域社会が行う『集団による裁き』と呼ばれるものだ。私も現場にいた」と語った。また、ジャンティさんはこの事件に関与したとして訴追されているが、精神状態を理由に罪に問われなかったという。
だがジャンティさんは16日、AFPの取材に対し、「知らない。サンデー・タイムズの報道はナンセンスだ」と主張。一方で詳細を語ることは拒否し、犯罪歴については国の検察当局に問い合わせるよう求めた。だが検察は既に、解決済みの事件についての記録は保持していなく、これらの疑惑を確認も否定もすることはできないと述べている。
民間テレビ「eNCA」は13日、ジャンティさんが性的暴行、誘拐、窃盗の罪で訴追されたことがあると伝えていた。
ジャンティさんを追悼式の手話訳者として採用したことについて、南ア政府は前週、正式に謝罪し、ジャンティさんが所属する事務所が「跡形もなく消えた」と述べている。(c)AFP