南スーダンでクーデター未遂、夜間外出禁止に
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【12月17日 AFP】南スーダンのサルバ・キール(Salva Kiir)大統領は16日、首都ジュバ(Juba)で15日深夜に、同国部隊同士の激しい戦闘が発生し、クーデターが企図されたが、これを鎮圧して未遂に終わったことを明らかにした。
外交官や目撃者の話によると、激しい戦闘は日付が変わる直前の深夜、首都中心部近くの兵舎で始まり、その後市内の広範囲に広がったという。重機関銃や迫撃砲も使われたとみられる。国連が支援する地元ラジオ局は、この戦闘で7人が死亡、100人以上が負傷したと報じている。
キール大統領は、政敵で7月に解任されたリヤク・マシャール(Riek Machar)前副大統領を支持する部隊を非難し、同前副大統領は必ず法の裁きを受けることになるだろうと述べた。キール大統領は国民に向けたテレビ演説の中で、「ジュバの治安は政府が完全に掌握している。攻撃を仕掛けた者らは逃げ出したが、軍が追跡している。正義は必ず勝つ」と語った。現時点でマシャール氏の消息は明らかになっていない。
キール大統領は、午後6時~翌朝6時までの夜間外出禁止令を発令した。AFP記者によると、外出禁止令の発令後、事態はほぼ沈静化しているという。また首都在住の外交官によると、同大統領を支持する部隊が交通の要所に置かれ、また民間航空筋の話では同市の空港も閉鎖されているという。複数の携帯電話ネットワーク、さらには固定電話の大半もつながらない状態になっている。
産油国でありながら貧しい南スーダンは2011年、北スーダンからの分離と新国家樹立の是非を問う国民投票で圧倒的支持を得て独立。しかし民族間対立や腐敗が後を絶たず、ここ数週間は政治的緊張が特に高まっていた。
マシャール氏や、南スーダン建国の父故ジョン・ガラン(John Garang)元最高司令官のレベッカ・ガラン(Rebecca Garang)夫人を含む、同国与党内の反体制組織「スーダン人民解放運動(SPLM)」の中心人物らは、キール大統領を「独裁的」と公に批判していた。(c)AFP/Waakhe Simon Wudu