【12月16日 AFP】イスラエル軍は16日、レバノンとの国境付近で、イスラエル軍兵士がレバノン軍兵士に狙撃され死亡したと発表した。

 イスラエル軍の声明によると、狙撃された兵士は国境沿いを車で走行中に撃たれ、病院に運ばれたが死亡が確認された。初期調査により、撃ってきたのはレバノン軍の狙撃兵だと確認されたとしている。

 イスラエル軍はこれに先立ち、地中海沿岸のロシュハニクラ(Rosh Hanikra)の国境検問所付近でレバノン軍兵士が民間車両に向け発砲したと発表していた。

 イスラエルのニュースサイト「Yネット(Ynet)」は軍情報筋の話として、レバノン兵は6~7発発砲したと伝えた。発砲はこの兵士の自主的な判断によるものだった可能性が高いという。

 一方、レバノン国営通信(National News Agency)は、「レバノン軍部隊が15日夕方、ナクラ(Naqoura)の国境検問所付近でイスラエル軍部隊に向かって発砲した」と伝えた。しかし、AFPの取材に匿名で応じた治安筋は、レバノン軍が発砲したとの情報を否定。「国境付近で銃声が聞こえたため、軍が状況を確認している」と述べている。

 イスラエル軍は、レバノン南部で平和維持活動を展開中の国連レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)に対し「言語道断のイスラエルの主権侵害だ」と抗議するとともに、「わが国は自衛権を持っており、イスラエルへの攻撃を許さない」と宣言した。(c)AFP/Philippe AGRET