【12月16日 AFP】欧州連合(EU)は15日、ウクライナがロシアとの関係強化を続けていることを受け、ウクライナとの歴史的な連合協定締約に向けた協議を中断すると発表した。一方、同国の首都キエフ(Kiev)では同日、西側諸国との統合関係を求める反政権デモに30万人近くが参加した。

 旧ソ連のウクライナは、ビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)大統領が先月、EUとの連合協定の締約を拒否し、ロシアとの関係を強化するとの衝撃的な決断を行って以来、激しい外交上の綱引きの中心となっている。

 欧州委員会(European Commission)のシュテファン・フィーレ(Stefan Fuele)拡大・欧州近隣政策担当委員は、マイクロブログのツイッター(Twitter)を通じ行った突然の発表で、EUはヤヌコビッチ大統領から連合協定について真剣であるとの「明白な確約」を得るまで、あらゆる交渉を停止すると述べた。

 ヤヌコビッチ大統領はロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と17日に会談予定。キエフの独立広場(Independence Square)を埋め尽くしたデモ参加者らは、同会談で両国の同盟関係がより強化されると懸念し、会談予定日の夜に大規模なデモを計画している。

 フィーレ欧州委員の発表を受け、ウクライナ政府報道官は、同国はEUとの連合協定に真剣であると即座に回答。このツイートをEUの正式な立場とはみなしていないと述べた。

 ウクライナのミコラ・アザーロフ(Mykola Azarov)首相は、EUとの貿易と政治的協力の調印と引き換えに、200億ユーロ(約2兆8000億円)の支援を求めている。ウクライナ政府は、この支援により、ロシアから科される恐れがある経済制裁を穴埋めできるとしている。(c)AFP/Anna MALPAS