【12月15日 AFP】ウガンダで16日、同性愛が発覚して起訴された英国人男性の裁判が再開される。同性愛を非合法化している同国の強硬姿勢と、反同性愛活動家のソロモン・マレ(Solomon Male)牧師(51)の執念に改めて注目が集まっている。

 福音派のマレ牧師は国内から同性愛者を撲滅する活動家を自称し、英国人バーナード・ランドール(Bernard Randall)氏(65)が被告となった今回の裁判の背後でも動いている。同性愛を邪悪とみなす同牧師は、同性愛によって男性は直腸を損ない、女性は子宮を失うリスクがあるなどと持論を展開するとともに、自分には同性愛者を異性愛者に更生させる力があると主張している。

 裁判再開を前に、ランドール氏はAFPのインタビューで「マレ牧師とその影響力が怖い」と心境を語った。英イングランド(England)南東部ケント(Kent)出身でコンピューター・エンジニアだった同氏は、40回目の結婚記念日を前に妻に先立たれ、その後同性愛者であることを公言した。2011年に初めてウガンダに渡航し、今年ビクトリア湖(Lake Victoria)に面した同国中部エンテベ(Entebbe)に定住した。

 定住直後にランドール氏の自宅で窃盗事件が起き、同氏がモロッコで男性と関係を持っている場面の画像が保存されたノートパソコンが盗まれた。この画像は容疑者の男2人がマレ牧師に渡し、さらに同牧師がタブロイド紙レッド・ペッパー(Red Pepper)に提供した。同紙はランドール氏を逮捕して裁判にかけるべきだなどとあおる記事を掲載した。

 有罪となった場合、ランドール氏は「わいせつ物密輸罪」で禁錮2年の刑に処せられる。同氏のウガンダ人の交際相手も拘束されており、「品位を欠くみだらな行為」の罪で禁錮7年の刑が言い渡される恐れがある。