永久追放処分のアームストロング氏に八百長疑惑
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【12月14日 AFP】禁止薬物の使用で自転車競技から永久追放処分を受けたランス・アームストロング(Lance Armstrong、米国)氏が大会で優勝するため、対戦相手を10万ドルで買収した疑いが明るみに出た。元選手のロベルト・ガッジオーリ(Roberto Gaggioli、イタリア)氏が伊紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)に明かした。
1993年に米国で行われたミリオンダラーレース(Million Dollar Race)でのことだったと現在51歳のガッジオーリ氏は言う。
賞金100万ドルのミリオンダラーレースこと、スリフト・ドラッグ・トリプル・クラウン(Thrift Drug Triple Crown)は、ピッツバーグ・クラシック(Pittsburgh Classic)、ウエスト・バージニア・クラシック(West Virginia Classic)、コアステーツ・レース(CoreStates race)の3レースで構成され、21日間にかけて開催された。
その中のコアステーツ・レースでの出来事をガッジオーリ氏は語った。
「若い米国人の選手だったね。彼はメリークリスマスと言って私にパネットーネ(伝統的なイタリアのクリスマスケーキ)をプレゼントしてくれた。しかし箱の中に入っていたのは10万ドル分の紙幣だったんだ。その選手というのがランス・アームストロングさ」
「私が所属していた『クアーズ・ライト(Coors Light)』のメンバーもすでに同意してるとランスは言っていた。それで全部仕組まれてるということがわかった」
「残り2周の時点で私は、ランスやボビー・ジュリク(Bobby Julich、米国)や、その他何人かと一緒に先頭集団にいた。その時ランスがサインを出した。私は彼の方を見ないようにして、抜け出しやすいように道をあけてやったんだ。その結果、彼は集団を突破して優勝した」
コリエレ・デラ・セラ紙によると、他の選手もアームストロングのアタックに反応しなかったのは、同じく買収されていたからだという。
そのうちのひとり、ロベルト・ペリコーニ(Roberto Pelliconi)氏は語る。
「(他のライダーの)アンジェロ・カンツォニエーリ(Angelo Canzonieri)とランスの間では報酬は5000万で話がついていた。アンジェロはドルだと思っていたみたいだが、実際はリラでの額だった」
「ジロ・デ・ロンバルディア(Giro di Lombardia)でランスは5000万(リラ)払ってくれたよ」
現在42歳のアームストロング氏は、一連のドーピング違反により2012年にツール・ド・フランス(Tour de France)7連覇のタイトルを剥奪され、2013年に自ら不正を告白している。(c)AFP