<菅付雅信:新連載「ライフスタイル・フォー・セール」>第五回:オーガニック革命が提案する「意識の高い資本主義」
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【12月13日 MODE PRESS】
■オーガニック・スーパーという楽しい目的地
アメリカ発のオーガニック系スーパーは、ニューヨークやサンフランシスコといった大都市への旅行者が、今や必ず訪れると言っていいディスティネーション=目的地となっている。巨大な店内には、豊富な生鮮食品、パスタや乳製品のオーガニック加工食品だけでなく、ブッフェ形式の惣菜バーもあり、店内に併設されているカフェスペースでそのまま食べられる店も多い。食品はもちろん、環境に配慮されたコスメや生活必需品まで、ありとあらゆるものがハイ・クオリティで手に入る場所だ。僕自身、アメリカの大都市を訪れる際は、山岳用バックパックを持参して、大量にこれらのオーガニック製品を買い込み、まるで避難民のような様相で店を後にしている。このようなオーガニック・スーパーの進出は、ニューヨークのみならず全米の都市に住む人々のライフスタイルならびに生活意識に劇的な変化をもたらしている。
その潮流を代表する店と言えるのが、ホールフーズ・マーケット(以下、ホールフーズ)と、トレーダー・ジョーズのふたつのチェーン店である。
ホールフーズは1980年に米・テキサス州で誕生したスーパーマーケット。創業者であるジョン・マッキーは、25歳のときに、前身である自然食品店セイファー・ウェイを開業。その2年後には合併等を経てホールフーズを始めており、現在では、アメリカやカナダを中心に330店舗以上を展開し、年間約100億ドル、約1兆円を売り上げている。一方トレーダー・ジョーズは、1966年に創業者ジョー・コロンビーによりロサンゼルスで誕生。同じく、300店舗以上を展開し、売上は年間約90億ドル、約9000億円にのぼる。
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