子ども連れ去り、送還応じない国に制裁 米下院で法案可決
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【12月12日 AFP】米下院は11日、米国人と国際結婚した外国人が結婚生活の破綻に伴って無断で子どもを母国に連れ去った場合、連れ去られた子どもの速やかな送還に応じない国に対して制裁を科す法案を可決した。子どもの連れ去り問題をめぐって米国は日本など一部同盟国の対応に批判的で、制裁法案によって圧力を強めるのが狙いとみられる。
下院は全会一致で、子どもの連れ去りに関する各国の対応を評価する年次報告書を作成し、非協力的な国に対しては何らかの措置を講じるようバラク・オバマ(Barack Obama)大統領に求める内容の法案を可決した。制裁措置としては、米国で開発された技術の輸出禁止や、開発援助の中止、科学・文化的交流の中止などを検討している。制裁解除は大統領権限で行う。
法案を提出したクリス・スミス(Chris Smith)下院議員(共和党)は、米国人との国際結婚が破綻した外国人による子ども連れ去りは年間1000件を超えると指摘。同法案が法制化されれば、政府の力で問題解決が可能になると説明した。
法制化に向けては今後、民主党が多数を占める上院での承認が必要になるが、スミス下院議員は数年かけて検討してきた法案で超党派の支持を集めているとして、法案通過に自信を見せている。
米国の子ども連れ去り問題では、米国人と離婚した日本人の親が子どもを連れて日本に帰国する事例が最も多い。日本は先進国で唯一、国際結婚が破綻した夫婦間の子どもを元の居住国へ送還するよう定めた「ハーグ条約(Hague Convention)」(1980年採択)を批准しておらず、日本の裁判所が外国人の親に子供の養育権を認めたことは事実上皆無だ。(c)AFP/Shaun TANDON