マンデラ氏追悼式の手話通訳は「でたらめ」
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【12月12日 AFP】南アフリカ・ソウェト(Soweto)で執り行われたネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領の追悼式で手話通訳を務めた男性が、手話に見える身振りをしていただけの「でたらめ」な通訳をしていたとの批判が、手話団体から出ている。
同国ケープタウン(Cape Town)の手話教育団体のキャラ・ローニング(Cara Loening)氏は11日、AFPに対し、手話通訳の男性は「完全な偽者だ」と述べ、「彼は何もしていなかったし、一つも手話になっていなかった。一つもね。ただ単に腕を動かしていただけ」と続けた。
10日の追悼式で弔辞を述べた米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領やマンデラ元大統領の孫たちの横で手話通訳を務めた男性の姿は、「まるで顔や頭の周りを飛び回るハエを追い払っているよう」だったという。
「南アフリカの聴覚障害者たちは激怒している。誰もあの男のことを知らない」とローニング氏。また、手話通訳者を登録しているどの組織も、この男性について知らないという。
国営南ア放送協会(SABC)の放送では、画面上に小さな枠で別の通訳者の手話が映されていたが、男性の手話とは食い違っているように見えた。また同国の翻訳・通訳協会によると、この男性は以前にも与党・アフリカ民族会議(ANC)のイベントで手話通訳を務めたことがあり、その手話については苦情が寄せられていた。
同国政府は、この問題について調査を進めていることを明らかにし、詳細が分かり次第公表するとしているが、オーム・コリンズ・チャバネ(Ohm Collins Chabane)大統領府相は11日の記者会見で、今週末に予定されている国葬の準備に追われているため、同日中の調査完了は不可能と述べている。(c)AFP