【12月9日 AFP】サウジアラビアと中国の科学者チームは8日、ナツメヤシのゲノム(全遺伝情報)解読を完了したと発表した。ナツメヤシの実(デーツ)は多くの地域で主食とされている。

 サウジアラビアのアブドルアジズ国王科学技術都市(King Abdulaziz City for Science and TechnologyKACST)と中国・深セン(Shenzhen)に拠点を置く北京ゲノム研究所(Beijing Genomics InstituteBGI)の科学者チームは、2008年よりこのプロジェクトに取り組んできた。

 KACSTのモハメド・スワイル(Mohammed al-Suwail)所長は記者団に、このゲノム配列の解読は、生産性の向上を助けると同時に、ナツメヤシを冒している疾病の予防と治療を助ける可能性があると語った。

 ナツメヤシは、中東と北アフリカで広く栽培されている。科学者らによると、ナツメヤシは世界中で2000種が知られており、サウジアラビアにはそのうちの450種が生育しているという。

 世界にはナツメヤシの木が約1億本あり、そのうちの1割がサウジアラビア国内にある。同国は、デーツの世界生産量の14%を占めている。(c)AFP