【12月8日 AFP】餌を求めて何百キロも移動した揚げ句、セルビアからハンガリーに越境したとみられる野生の熊が、国境警備隊に発見された。野生動物に詳しいバーリント・クリ(Balint Kuli)氏が、人気ポータルサイト「Index.hu」に語った。

 同氏によると、ハンガリーの平野部は熊の自然生息地ではなく、この熊は長距離移動の末にたどりついたとみられる。熊は体内の脂肪蓄積量が冬眠期を乗り切るのに不十分な場合、外に出て餌を探し回る場合があるという。

 ハンガリー警察は、セルビアとの国境に近いヘルツェグスザント(Hercegszanto)の国境警備隊が3日の深夜に赤外線カメラで見慣れない動物の姿を捉えたため、現場を車でパトロールしたところ、シカより大きな熊を確認したと述べた。警察によると、熊は驚いて国境の向こう側に戻っていった。セルビア当局からは、現場付近の動物園から熊は逃げていないとの連絡を受けたとしている。

 欧州ではバルカン半島(Balkan peninsula)の森林に覆われた山間部などに今も熊が生息しているが、Index.huによると、ハンガリー南部の平野部で熊が見つかったのは初めてという。(c)AFP