内部告発者は「保護すべき」、WWW発明者
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【12月6日 AFP】不正を暴く内部告発者は保護されるべきであって、処罰されるべきではない――。ワールドワイドウェブ(World Wide Web、WWW)発明者のティム・バーナーズ・リー(Tim Berners-Lee)氏は5日、米当局による市民監視活動を暴露した米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者について、このように述べた。
スノーデン容疑者は、米情報機関・国家安全保障局(National Security Agency、NSA)の監視プログラムを暴露して米当局に訴追された。しかし同容疑者に関する記者団の質問に、バーナーズ・リー氏は「(分立した権力間の)抑制と均衡が崩壊するとき、社会が頼りにできるのは内部告発者だけだ」と答えた。
「内部告発者たちは、社会が最も絶望的な状況にある時に、社会を守るという重要な役割を果たしてきた。だからこそ、彼らの貢献をたたえる国際的な形式が必要だと私は思う」
バーナーズ・リー氏は続けて「必ずしもノーベル賞などで表彰しなければならないということではない。恩赦につながる何らかの方法を用意しておくということだ」と説明。「人々を傷つけるためではなく真に助けるために」情報を暴露した人物を保護するため、国際社会は団結すべきだと訴えた。
さらにバーナーズ・リー氏は、米国を始めとする各国では「抑制と均衡」が機能しなくなっており、制度改革によって問題が解決されると考えるのは「愚か」だと一刀両断。「改革された制度もまた将来、崩壊すると考えなければならない」と述べ、内部告発者の重要性を強調した。
バーナーズ・リー氏は約25年前、欧州合同原子核研究所(European Organisation for Nuclear Research、CERN)に在籍していた当時、研究の合間を縫って個人的にWWWの基礎となるシステムを開発した。(c)AFP