世界の認知症患者数、2050年までに3倍増に 調査報告
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【12月6日 AFP】人口の高齢化に伴い、世界の認知症の患者数は今後数十年で爆発的に増加し、2050年までに現在の約3倍に達する可能性があるとの報告が5日、国際アルツハイマー病協会(Alzheimer's Disease International、ADI)から発表された。
ADIの報告書によると、認知症の患者数はすでに約4400万人に達しており、この数字は2050年までに、1億3500万人にまで増加する可能性があるとしている。ADIはまた、認知症の患者数が過去3年間で22%増加していることも併せて指摘した。
世界のアルツハイマー病団体を代表するADIのマーク・ウォルトマン(Marc Wortmann)理事長は「これは世界的なまん延であり、悪化の一途をたどるばかりだ。将来を見ると、高齢者の数が劇的に増加するのは間違いないのだから」と語った。
「認知症を世界保健機関(World Health Organisation、WHO)の優先事項の1つにして、世界がこの病気に直面する準備を整えるようにすることが不可欠だ」(ウォルトマン理事長)
今回の報告書は、来週に英ロンドン(London)で開かれる予定となっている初めての「主要8か国(G8)認知症サミット」に先立ち発表された。
認知症サミットについて英保健省は、英国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ロシア、米国の主要8か国の代表を一堂に集めることで、認知症に対する「世界規模での対処を主導する」ことになると英保健省は述べている。今年のG8認知症サミットの議長国は英国が務め、来年はロシアが務める予定となっている。
同省報道官は「来週のG8サミットは、真の進歩をさらに加速するためのまたとない機会を提供し、効果的な治療法や治療薬を見いだすための国際的な努力をさらに強化することが見込まれる」と語った。
様々な脳の病気が原因となり発症する認知症は、記憶、思考、行動や日々の活動を行う能力に影響を及ぼすことが知られている。(c)AFP