【12月6日 AFP】非常に健康的な食事は不健康な食事に比べ、毎日1人当たり1.5ドル(約150円)の追加出費が必要になるとの調査結果が5日、英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical JournalBMJ)のオンライン版「BMJ Open」に発表された。

 この研究では、食事パターンに関して過去に発表された調査の中から、人々が毎日何を食べ、その食事にいくら出費しているかについて調べた確かなデータに基づく27の調査結果を概観した。これらの調査は、米国、フランス、オランダ、スペイン、スウェーデン、カナダ、ニュージーランド、日本の高収入国8か国と、ブラジル、南アフリカの中収入国2か国の計10か国で行われたものだった。

 食事パターンの健全さは、果物や野菜、魚類やナッツ類の方が、加工食品や肉類、精穀した穀物類よりも健康的と評価した。その結果、最も健康的な種類の食事にかかる1日当たりの費用は、不健康な食事の費用と比べて平均1.5ドルほど高くなることが分かったという。

 米ハーバード大学医学大学院(Harvard Medical School)のダリウシュ・モザファリアン(Dariush Mozaffarian)氏は「健康的な食事は費用がかさむが、不健康な食事との差額は1年間で550ドル(約5万6000円)ほどで多くの人が考えているほど大きくはない」といい、一部の国々でまん延している食生活に関連する肥満や糖尿病、心臓疾患といった病気にかかる経済的コストに比べれば、この費用の差は「ごくわずか」だと述べている。

 また論文は、健康な食事と不健康な食事の差は、畜産業や加工食品の製造販売における高収益・高効率を求めるシステムによって説明されると指摘し、そうした「安価で大量」なシステムをもっと健康的な食品の生産に活用し、価格を下げることも可能ではないかと提案している。(c)AFP