メキシコで盗難の放射性物質、発見した家族が被ばくか
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【12月6日 AFP】メキシコで、移送途中だった放射性廃棄物が盗難された事件で、置き去りにされた廃棄物を見つけた家族が被ばくした恐れがあることが分かった。
放射性物質コバルト60が入った医療機器は2日に輸送していたトラックごと強奪され、2日後の4日に首都メキシコ市(Mexico City)の北70キロの場所で発見された。発見現場では現在、兵士らが周囲500メートルを封鎖して回収作業を行っている。
コバルト60は、国際原子力機関(IAEA)が「極めて危険」だとしている放射性物質。盗まれたトラックには、この物質が入ったがん治療用機器が鋼鉄製容器に入れられていた。
メキシコ原子力安全・保障措置委員会(CNSNS)は、ある家族が開いた医療機器を見つけ、自宅に持ち帰っていたことが分かったため、この家族の健康状態を観察していると発表した。家族の人数は明らかにされていない。
当局は、この放射性物質を手で取り出した人は被ばくした可能性が高く、すぐに死亡する恐れもあると述べている。トラックを盗んだ容疑者らはまだ見つかっていない。(c)AFP/Guillermo BARROS